少しずつ復活…!
姑の意識が混沌としてから早1ヶ月…。
その間なかなか咳が抜けないので、あちこちの病院に連れて行き、レントゲンやMRI・血液検査を受け、肺炎にかかっていたことがわかりました。
「肺に影が出来ています。咳をした時、痛かったでしょう?」
「痛かったような気もするけど…忘れてしもた…」
もともと小柄な人ですが、雑炊や野菜スープ・魚の煮つけなど、何を作ってもひと口しか食べてくれないので、体重が34kgを切ってしまったのです。
「熱や咳が落ち着いたら、何でも意欲的に食べないと体力が弱ってしまいますよ」
「私はもうこのまま死んでもええんや…。注射や入院だけは勘弁してな…」
そんな私と姑の会話を聞いて、医者が喝を入れてくれました。
「家で妙な死に方をしたら家族が困るでしょ!? いいですか? ちゃんと口から物を入れてよく噛んで、喉を通って胃の中で消化しないと、咀嚼力も消化力も弱ってしまいますよ。お腹や首に穴を開けて管で食べ物を入れ、一日中ベッドで過ごす生活なんてイヤでしょ!?」
「は、はい…イヤです…」
医者は側にいた私に小声でこう言いました。
「脳梗塞の場合、認知症が徐々に…ではなく、風邪や怪我などをきっかけに階段状に進んでいきます。これから少しずつ忘れていくことが増えていきますが、家事を全部取り上げてしまうのではなく、本人がヤル気を示したことは手伝わせてください」
その後もしばらくは居間のソファに横になり、朝から晩までテレビを見ていましたが、少しずつ食べ終わった食器を片付けたり、モップで床を掃いたり出来るようになりました。
近い将来、自分にも訪れる姿です。
「老いることは恥ずかしいことではないんですから、何でも『出来る』ではなく、手を貸して欲しい時は遠慮なく言ってくださいね」
一昨日は40日ぶりに美容院に連れて行きました。