今日は税理士さんと打ち合わせをしたあと、午後から編集さんとケーキを食べながら打ち合わせをし、事務所に帰ってから夜までに何とか31ページ分の下描きを終え、別の編集さん宅までFAXで送りました。
明後日までに何とかこの原稿を仕上げたら、あとは今週末までネームと手塗りカラーの1人作業がまた続きます。
アシさんたちも自分の仕事やコミケ用の原稿に取り掛かり、いつもより閑散とした仕事場で机に向かっていると、上京して間もない頃、1人で机に向かって黙々と白い原稿を埋めていた孤独な時間を思い出します。
1人で人物を描き、1人で背景を描き、1人で枠線を引いて、1人でトーンを貼っていた頃、10日ぶりに担当さんから電話がかかってくると、仕事の話そっちのけで、しゃべらなきゃ損みたいにしゃべりまくっていました。
「この10日間誰とも話してなかったでしょ?」
「はい」
時々テレビを見ながら頷いたり、お湯が沸騰したやかん相手に「ちょっと待ってて!」と話すことはありましたが、仕事に夢中になって自分の世界に入り込んでしまうと、しゃべることを忘れてしまうのです。
あの頃は携帯もパソコンも無く、一緒に上京した故郷の友人たちは、キャンパスで新しい友人や恋人を見つけ、担当さんしか信じられる人がいなかった私は、1人だけ別世界に取り残されたような気分でした。
あれからン十年…。
今ではずっと同じ仕事を続けてこれて、本当に良かったとしみじみ思います。机に向かって自分の世界に没頭している時は、老後の不安も税金への不満も、何も考えずに済むのですから…。